魚眼システム

3月11日に長野県庁にて記者発表した。
経産省関東経済産業局に認定を受け、フィット、D. R Pocketと共同で魚眼レンズのリアルタイム動画の補正技術を事業化する。
新聞に掲載され、色々な場所で声をかけられる機会が増えた。

日本という国は今、八方ふさがりで迷走中である。
1000兆円という借金を抱えながらも、返済の道筋さえ考えず経済成長のことばかり言っている。
超高齢化社会を迎えるにあたって、日本は長期衰退期に入る。
お金をばら撒いたって一過性だ。
国を支える若者よりも支えられる立場の年寄りが増えていくのだから。
どう考えたって、今の社会構造では発展できない。
外国資本や外国人が入ってくると規制をかける。
世界はジャパンバッシングからジャパンパッシングへ、そしてジャパンナッシングへひた走る。

損だ得だ、儲かる儲からない、思考までデジタル化しつつある。
我々は原点に戻って、「こんなのがあったら楽しい・・・。」「これって面白い・・・。」というものを作りたい。
そういう意味では、今回取り組む魚眼システムは新しい映像文化を創出しうる画期的なものだ。

フィットの長岡社長とは3年半ほどのお付き合い。
お付き合いといっても、お付き合いいただいているというのが実際のところ。
長岡社長は難しい人だ。
一言でいうと”アーティスト”である。
本質を瞬時に見極めるから、業の強い人は見抜かれる。
迎合しない。
権力に屈しない。
非常にドライに見えるが、情の深い人である。
ダイレクトに物事を発するから、そこまで理解する人が少数なだけだ。
自分と似ているところは”大衆受けしない”ところ。
ただ、人口のわずか1%に満たない”超のつくマニアックな人には受ける”のだ。

我々レンズ業界の者はカメラマンという芸術家の道具を作っている。
しかしながら、長岡社長はその道具自体に芸術性を盛り込む。
設計するレンズの光路図は実に美しい。流れるようなライン。無駄が無い。
作る人のことを考慮した形状・機構になっている。
センスのない設計者は自分で手を汚したことが無いから、作り手の大変さを知らない。だから、とんでもない難しい形状だったり、組み立てに時間のかかる機構になっていたりする。

今さら自分が設計者になるには時間が無いので、面白いアイディアを提供できるようにしたい。
それが形になったら、それを使ってみんなで遊んで、喜びを分かち合いたい。
面白いアイディアを出し続けるためにも「こいつ・・・かなり変」と思われる人間でいよう。